近年、オール電化の普及とともに人気を集めてきた「エコキュート」ですが、導入後に「思っていたより使いにくい」「光熱費が期待ほど安くならない」などの理由から、後悔しているという声も少なくありません。特に寒冷地や水圧に敏感なご家庭では、生活の質が下がるという実感を持つ方も多いようです。
この記事では、エコキュートの主なデメリットを徹底的に解説し、後悔しないための「ガス給湯器への切り替え方法」について具体的なステップでご紹介します。今の給湯設備に満足していない方や、導入を検討中の方もぜひ参考にしてください。
エコキュートの主なデメリット
1. 初期費用が高い
エコキュートは本体価格が20万円〜50万円程度、工事費用を含めると設置にかかる総額はおよそ40万〜80万円と高額になります。補助金を利用できるケースもありますが、それでもガス給湯器に比べて高めの初期投資が必要です。
2. お湯切れのリスク
エコキュートは貯湯式で、深夜電力を使ってタンクにお湯を貯めておく仕組みです。大量に使用すると、お湯が足りなくなる可能性があります。急な来客や入浴が重なると、再加熱に時間がかかり、非常に不便です。
3. シャワーの水圧が弱い
多くのエコキュートは減圧弁付きの設計となっており、水圧が低く感じることがあります。特に高層住宅や水道圧が弱い地域では、シャワー使用時に不満を抱くケースが多く見られます。
4. 設置スペースの確保が必要
エコキュートは貯湯タンク(200〜460リットル)とヒートポンプユニットの2台構成で、大きなスペースが必要です。住宅密集地や狭小地では設置場所の確保が難しいことがあります。
5. 運転音の問題
ヒートポンプユニットは、運転時に「ブーン」という低周波音を発します。特に夜間運転が多いため、寝室の近くや隣家に面した場所に設置すると、騒音トラブルになるケースも報告されています。
ガス給湯器への切り替え手順
1. ガス供給の確認と契約
まずは自宅で都市ガスやプロパンガスが利用できるかを確認します。未契約の場合はガス会社に連絡し、導入の可否や契約手続きの相談を行いましょう。
2. エコキュートの撤去と処分
既存のエコキュートの撤去は、専門業者に依頼します。タンク内の残水処理や機器の分解、運搬には知識と道具が必要で、無理に自力で行うと事故や破損のリスクがあります。
3. ガス給湯器の設置と配管工事
設置には、ガス管・給水管・排気口の設置など複数の工事が必要です。壁掛け型や据置型、エコジョーズなど、住宅や家族構成に合った機種選定も重要なポイントです。
4. 試運転と安全確認
工事完了後には試運転を実施し、すべての蛇口で給湯が正常に行えるか確認します。また、ガス漏れや換気不良などの安全確認も必須です。
切り替え時の注意点と費用
費用の目安
ガス給湯器への切り替えには以下のような費用が発生します:
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ガス給湯器本体:10万〜25万円
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設置・配管工事:10万〜20万円
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撤去・処分費:5万〜10万円
合計で20万〜50万円程度が一般的な相場です。
補助金や助成金の活用
一部の自治体では、省エネ機器導入のための補助金制度が設けられています。工事前に自治体の窓口やホームページで情報を確認し、申請条件や必要書類をチェックしましょう。
専門業者への相談
給湯器の切り替えには専門知識が不可欠です。実績のある業者に相談し、現地調査・見積もりを受けたうえで、安心・安全な工事を依頼することが重要です。
まとめ
エコキュートには「省エネ」「深夜電力の活用」といったメリットもありますが、実際に使用してみると「お湯切れ」「水圧の弱さ」「運転音」など、生活に影響を与えるデメリットが多く存在します。
もし今の設備に不満を感じているのであれば、ガス給湯器への切り替えを前向きに検討しても良いでしょう。設置費用はかかるものの、使い勝手や快適さ、メンテナンスの手軽さを重視するなら、ガス給湯器は非常に現実的な選択肢です。
失敗しないためには、事前の情報収集と専門業者への相談がカギになります。快適な住環境を取り戻すための第一歩として、本記事の内容が役立てば幸いです。